枕崎の家(LIXILコンテスト2018 新築部門 準大賞)
愛する地元に美しい家を
薩摩半島南西部に位置し、漁師町として知られる枕崎市。この町で育ったご主人が約20年ぶりにふるさとへ帰り、子育てをしたいという想いから誕生したのがU様邸です。
古い町並みに溶け込みながらも、新しく豊かな暮らしを象徴する和モダンな外観。港町ゆえに塩害に強いコロニアルを外壁に採用し、大きな軒やひさしを付けることで風雨から外壁を守り、雨音さえも心地いい環境にしました。
また、地域に適度に開かれた住宅とするため、道路からの距離感にも配慮。緩やかなアプローチを上がる玄関動線に加えて、駐車スペースからインナー車庫や木製の格子戸を抜け、中庭コートへ直接つながる動線も設けました。
地域とつながる中庭
U様邸の要となるのが、ウッドデッキのある中庭コート。外と中の中間領域であり、リビングと一体に使えるのはもちろんのこと、古き良き縁側の温もりを現代に受け継ぐ空間として、地域の人々とのやわらかなコミュニケーションを育む役割も果たします。
さらに、木格子と植栽によりプライバシーを守りつつ、閉鎖的にならないように配慮。高温多湿で日射量・雨ともに多い土地柄を踏まえて大きなひさしを設置し、採光と通風をコントロールしながら自然に親しむ暮らしを実現しました。
室内には、地元の良質な杉材(認証かごしま材)を使用。リビングの左手に中庭が広がります。四季の移り変わりを伝えるのがモミジの木。紅葉の季節になると、青空とのコントラストも見事です。
あえて天井高を抑えた廊下を抜けると、吹き抜けのあるLDKが目の前にパッと広がります。フラットな和室と一体化したリビングは、家族や仲間が一堂に集える空間です。「ウッドデッキまで開放的に使えるので、約40人が集まったこともあります。」とご主人。リビング階段に腰掛けて中庭を眺めたり、ソファに体を預けながら会話を楽しんだりと、思い思いに過ごせる居場所が散りばめられた懐の深い設計です。
家族の時間を大切に。
共働きのご夫妻が効率的に暮らせる動線
水回りを一直線上に配置し、その延長線上に家族4人分の衣類をまとめて収納できるウォークインクローゼットを完備しています。
もちろん、2人のお子様と過ごす時間も大切にされています。奥様こだわりのモルタル仕上げのオリジナルキッチンの並びには、お子様用のカウンターを設え、学びも遊びも楽しめるようにしています。さらに1階と2階の子ども部屋は吹き抜けを介してつながっているから、家中どこにいても家族の気配を身近に感じることができます。
子どもたちに誇れる住まい
「デザイン性と機能性の高さを両立しているのが決め手になりました。」とベルハウジングを選ばれた理由を語ってくださった奥様。美しい家には住む人の暮らしを豊かにする力と人を引き寄せる力があります。また、美しい家を地域の景観として残し、次世代に引き継ぐためには、長く住み継げる性能が不可欠です。U様邸は長期優良住宅&ZEH住宅で、耐震等級3・耐風等級2と、台風が多い土地柄でも安心して暮らせる性能です。
「遊びに来た方からは“これまで見た中で一番いい家”だと褒められましたし、近所の方から“いい家だね”と声をかけられることも多いです。」とご主人。人が集まり、ふれあいが生まれる家は、地域を活気づけるカギになるはずです。