【長期優良住宅】第三章|大地震と強風に備える家づくり
【長期優良住宅】第三章
大地震と強風に備える家づくり「耐震性」と計算ルート、そして耐風性能の重要性
一級建築士、一級建築施工管理技士 松田英之
長期優良住宅において、耐震性は非常に重要な評価項目です。
家は、完成した時の見た目や間取りだけで価値が決まるものではありません。
大地震や台風など、万が一の災害が起きた時に、家族の命を守り、その後も安心して暮らし続けられるか。
そこまで考えて設計されているかが、これからの住まいには強く求められます。
特に日本は地震の多い国であり、鹿児島も地震や台風、強風への備えが欠かせない地域です。
だからこそ、長期優良住宅を考える上では、「耐震等級」だけでなく、「どの計算方法でその性能を確認しているのか」まで見ることが大切です。
■ 長期優良住宅に求められる耐震性
長期優良住宅では、数世代にわたり良好な状態で住み続けられることを前提に、構造躯体の耐震性や耐久性が求められます。
耐震性については、建築基準法で求められる最低限の耐震性能を基準としたうえで、より高い性能を確保することが重要です。
一般的に、耐震等級は次のように整理されます。
耐震等級1
建築基準法で定められた最低限の耐震性能
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の地震力に対して倒壊・崩壊しにくい性能
耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の地震力に対して倒壊・崩壊しにくい性能
耐震等級3は、住宅性能表示制度における最高等級です。
大きな地震が発生した後も、建物の損傷をできるだけ抑え、住み続けられる可能性を高めるためには、耐震等級3を目標にした設計が望ましいと考えています。
■ 2025年4月以降、より重要になる「計算ルート」
2025年4月以降の制度見直しにより、木造住宅の構造確認では、建物の重量化や省エネ化を踏まえた検討がより重要になっています。
断熱性能を高めるための断熱材、太陽光発電設備、重い屋根材、設備機器などにより、現代の住宅は以前よりも重くなる傾向があります。
そのため、従来の感覚だけで「壁が足りているから大丈夫」と判断するのではなく、建物の重さや形状、耐力壁の配置バランス、床や屋根の剛性などを踏まえて構造を確認する必要があります。
ここで大切になるのが、「どの計算ルートで耐震性を確認するか」です。
主な確認方法には、次のようなものがあります。
・壁量計算
・性能表示計算
・許容応力度計算
同じ「耐震等級」という言葉でも、どの計算方法で確認しているかによって、設計時に見るべきポイントや必要な図書、審査で求められる根拠が変わります。
特に長期優良住宅の認定を受ける場合は、設計の初期段階で計算ルートを明確にし、構造計画と間取り、開口部、屋根形状、耐力壁の配置を整合させることが重要です。
後から構造の検討を始めると、窓の位置を変える、壁を増やす、間取りを修正するなどの手戻りが発生しやすくなります。
だからこそ、家づくりの早い段階から構造を考えることが、安心で無駄のない設計につながります。
■ なぜ耐震等級3を目標にするのか
長期優良住宅の認定基準上、耐震等級2以上で認定を受けられるケースがあります。
しかし、私たちは可能な限り耐震等級3を目指すことが、これからの家づくりにおいて大切だと考えています。
理由は、安全性だけではありません。
耐震等級3は、地震に対する安心感に加え、地震保険の割引にも関係します。
耐震等級2では地震保険料の割引率が30%であるのに対し、耐震等級3では50%の割引が適用されます。
住まいは建てて終わりではなく、暮らしながら維持していくものです。
長い目で見ると、安心性、維持管理、保険、資産価値、将来の売却時の説明のしやすさなど、さまざまな面で高い耐震性能を明確にしておくことには大きな意味があります。
「耐震等級3相当」ではなく、第三者機関で確認された耐震等級を取得することも重要です。
なぜなら、客観的な証明があることで、お客様にとっても将来の資産価値にとっても、より分かりやすい安心材料になるからです。
■ 地震だけでなく、台風・強風への備えも大切
鹿児島の住まいづくりでは、地震だけでなく台風や強風への備えも欠かせません。
近年は台風の大型化や局地的な突風被害も見られ、屋根や外壁、開口部、建物全体に大きな風圧がかかることがあります。
そこで重要になるのが、耐風性能です。
住宅性能表示制度には、耐風等級という考え方があります。
耐風等級1は建築基準法レベルの性能、耐風等級2はその1.2倍の風圧力に対して倒壊・崩壊しにくい性能とされています。
耐風等級2が最高等級となっています。
特に鹿児島のように台風の影響を受けやすい地域では、耐震性能とあわせて、耐風性能への配慮も重要です。
屋根形状、軒の出、外壁、開口部、金物、構造躯体の一体性などを総合的に考えることで、より安心して暮らせる住まいにつながります。
■ ベルハウジングの構造に対する考え方
ベルハウジングでは、長く安心して暮らせる家づくりのために、構造の確かさを大切にしています。
耐震等級3・耐震等級2の構造計算については、自社の技術者が計算を行い、さらに第三者機関による確認を受けています。
自社で考え、自社で計算し、第三者の目で確認する。
この流れを大切にすることで、設計の自由度やデザイン性を保ちながら、構造的な安心を確保しています。
また、鹿児島には台風、火山灰、高温多湿、強い日差しなど、地域特有の自然環境があります。
ベルハウジングでは、そうした鹿児島の風土に合った仕様を自社で考え、開発し、実際の家づくりに反映しています。
単に全国共通の仕様を当てはめるのではなく、鹿児島で永く快適に暮らすための性能、素材、納まり、メンテナンス性を考えること。
それが、地域に根差した工務店としての役割だと考えています。
長期優良住宅とは、単に認定を取得するための制度ではありません。
家族が安心して暮らし、災害に備え、年月を重ねても価値を感じられる住まいをつくるための大切な基準です。
ベルハウジングは、これからも高い技術力と鹿児島の風土に合った家づくりで、美しく、強く、永く価値が続く住まいを提供してまいります。
大地震と台風に備える、鹿児島の家づくりについて
家づくりで一番大切なことは何か。
私は、まず「家族の命と暮らしを守ること」だと思っています。
どれだけデザインが美しくても、どれだけ間取りが使いやすくても、大きな地震や台風の時に不安を感じる家では、本当に良い家とは言えません。
鹿児島は、自然が豊かでとても魅力のある地域です。
一方で、台風、火山灰、高温多湿、強い日差しなど、住まいにとって厳しい条件もあります。
だからこそ、鹿児島で家をつくる工務店には、この地域の風土を理解し、それに合った家づくりをする責任があると考えています。
ベルハウジングでは、全棟「長期優良住宅」を標準仕様としています。
そして、耐震性能については、耐震等級3・耐震等級2の構造計算を自社の技術者が行い、第三者機関で確認を受けています。
これは、単に認定を取るためではありません。
お客様に「この家なら安心して暮らせる」と感じていただきたいからです。
家は、建てた瞬間が完成ではありません。
そこから10年、20年、30年と、ご家族の暮らしが積み重なっていきます。
子どもたちが育ち、家族の形が変わり、暮らし方も変わっていく。
その時間に寄り添える家であるためには、見えない構造や性能がとても大切です。
私は、一級建築士として、また一級建築施工管理技士として、構造や性能を曖昧にしない家づくりを大切にしています。
自社で計算し、第三者機関で確認する。
その上で、鹿児島の風土に合った仕様を自社で考え、より良い住まいとしてお客様に提供する。
これが、ベルハウジングの家づくりです。
もちろん、家は強ければそれで良いわけではありません。
毎日の暮らしが楽しくなること。
見た時に「なんかいいな」と思えること。
時が経つほどに愛着が深まること。
そして、次の世代にも残したくなる美しい家であること。
性能とデザイン。
安心と心地よさ。
技術と暮らしの豊かさ。
そのすべてを大切にしながら、ベルハウジングは鹿児島で永く価値が続く住まいをつくり続けていきたいと思っています。
大地震にも、強い風にも備える。
そして、家族の日々の暮らしを美しく、心地よく育てていく。
それが、私たちが考える「本当に価値ある長期優良住宅」です。
株式会社ベルハウジング
代表取締役社長
松田 英之
