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【長期優良住宅】第八章 建てた後からでも長期優良住宅に!?「建築行為なし認定制度」の仕組みと中古市場で資産価値を守る方法

【2026年最新】建てた後からでも長期優良住宅に!?「建築行為なし認定制度」の仕組みと中古市場で資産価値を守る方法

家づくりを検討中の方、あるいはすでにマイホームを建てた方にとって「長期優良住宅」は非常に魅力的な制度です。
しかし、「新築時に申請し忘れてしまった・そもそも提案が無かった」「昔建てた家だから制度がなかった」という方も多いのではないでしょうか。
実は、2022年(令和4年)10月の法改正により、増築や改築といった建築工事を伴わなくても「建てた後」から長期優良住宅の認定を取得できる「建築行為なし認定制度」がスタートしています。

一級建築士の視点から、この事後認定制度のメリットと「現況検査・改修費用」の厳しいハードルについて徹底解説します。
さらに、2026年(令和8年)の最新の税制改正を踏まえ、高性能な家が中古市場でどのように正しく評価されていくのか、未来の資産価値を守るためのポイントをお伝えします。

1. 実は「建てた後」からでも取れる!?「建築行為なし認定制度」とは
これまでの長期優良住宅制度は、「新築時」や「増改築時」など、建築工事を行う前にあらかじめ申請をして認定を受ける仕組みでした。
そのため、一定の高い性能を持つ住宅であっても、建築行為時以外では認定を取得できないという課題がありました。

そこで創設されたのが「建築行為なし認定制度」です。
これにより、以下のような住宅でも事後的に認定を受ける道が開かれました。

長期優良住宅制度が創設される前(2009年以前)に建築された住宅
新築時や増改築時に認定申請を行わなかった住宅

この制度の最大の目的は、将来家を売却する際などの中古流通時に、他の物件との差別化を図り、付加価値(リセールバリュー)を高めることです。
なお、適用される認定基準は、新築後に認定を受ける場合は「新築基準」、増改築後に認定を受ける場合は「増改築基準」となります。
ただし、長期優良住宅制度の創設前に新築された住宅については、当時の基準が存在しなかったため「増改築基準」が適用されます。

2. 要注意!「現況検査」と「改修費用」の厳しいハードル
「後から書類を出せば簡単に認定が取れる」と誤解されがちですが、建築のプロの視点からは**「事後認定は非常にハードルが高い」**と警鐘を鳴らします。
事後認定を取得するための手続きは、主に以下のステップで進みます。

専門のインスペクター(住宅診断士等)による**「現況検査」**
登録住宅性能評価機関による**「技術審査」**
所管行政庁への**「認定申請」**

最大の問題は、最初の「現況検査」です。ここでは、国が定める厳しい認定基準(劣化対策、耐震性、省エネルギー性など)を満たしているかが徹底的にチェックされます。
もし検査の結果、基準に達していない部分が見つかった場合、そのままでは認定は下りません。認定を得るためには、既存の住宅を基準に適合させるための大掛かりな改修工事(断熱改修や構造補強など)を追加で行う必要があります。

つまり、事後的に認定を取ろうとすると、検査や審査の手数料だけでなく、壁や床を剥がして性能を引き上げるような数百万円単位の改修工事費用が重くのしかかるリスクが高いのです。
これから家を建てる方は、後から手を入れるのが難しい壁の中や床下などを最初から長期優良住宅の仕様で設計し、「新築時」に確実に認定を取得しておくことが、結果的に最も無駄がなくコストパフォーマンスに優れた賢い選択と言えます。

3. 建てた後の「資産価値」を守る!現在の中古市場が抱える課題

新築時に長期優良住宅の認定を受け、耐震等級3や高い断熱・気密性能を備えた家を建てたとします。
 しかし、その家が将来「中古住宅」として流通する段階になると、現在の中古住宅市場が抱える大きな矛盾に直面します。

現状の不動産業界の一般的な査定では、建物の見えない性能や施工品質が十分に理解されず、主に**「築年数・面積・立地・周辺相場」を中心とした市場価格だけで評価されてしまう**ことが少なくありません。
その結果、真剣に性能・品質・耐久性を考えて家づくりをしている地域工務店の高性能な住宅と、とりあえず建てられた性能の低い住宅との査定金額に、さほど差が出ないのが実情です。これは、良い家を建てたお客様の大切な資産価値が正当に評価されないという点で、決して公正な評価とは言えません。

4. 高性能な家が中古市場で正しく評価される未来へ(2026年最新動向)
しかし、この不公正な状況は、国を挙げて大きく変わりつつあります。2026年度(令和8年度)の税制改正大綱により、中古市場においても「建物の性能」が明確に金銭的価値として評価される時代が到来しました。

具体的には、中古住宅(既存住宅)を購入する際、その家が「長期優良住宅」などの高い省エネ性能を持つ家であれば、住宅ローン控除の借入限度額が大きく上乗せ(子育て世帯等で最大4,500万円)され、控除期間も13年に拡大されます。
一方、省エネ基準に適合しない「その他の住宅」は控除額が少なく制限されます。
このように、国の税制面から「省エネ性能が客観的に証明されている家=価値が高い家」という強力な後押しがあり、中古市場での価値の二極化が急速に進んでいます。
今後は、将来売りやすい家にするためにも、長期優良住宅の認定などの客観的な証明が必要不可欠になります。

さらに、私たち地域工務店が目指すべきは、既存住宅の性能や品質を公正に評価する仕組みの全国的な普及です。不動産業界だけでなく、建築を深く理解する設計者や工務店が査定にしっかりと関わり、耐震性・断熱・気密性能・適切なリフォームや維持管理の履歴といった「見えない価値」をしっかりと「見える化」して査定金額にプラス反映させる仕組みづくりに積極的に関わっていく必要があります。

真の資産価値は「確かな性能」と「適切な維持管理」から

「建築行為なし認定制度」の創設により、建てた後からでも長期優良住宅化を目指せるようになったことは、日本の住宅ストックの価値を見直す素晴らしい一歩です。しかし、現況検査や改修費用のハードルを考慮すると、これから家づくりをする方は、やはり新築時から認定を取得することがベストです。

本当に良い家をつくり、その維持保全の履歴をしっかりと残していくこと。それが、数十年後の中古市場においてご自身の家の資産価値を最大化し、次の世代へと正しく住み継がれていくための最強の防衛策となります。
私たち工務店は、お客様の家を建てる時だけでなく、建てた後の未来の資産価値まで守るパートナーでありたいと願っています。

長期優良住宅の認定は、単に「丈夫な家」というだけではなく、劣化対策、耐震性、省エネルギー性、維持管理のしやすさなど、複数の性能を総合的に確認する制度です。特に中古住宅として将来売却する場合、こうした性能が書類として残っていることは大きな強みになります。

これからの住宅市場では、築年数だけで建物の価値を判断するのではなく、どのような性能で建てられ、どのように維持管理されてきたかが重要になります。長期優良住宅の認定や点検記録、修繕履歴をしっかり残しておくことで、住まいの価値を次の世代にも伝えやすくなります。

特に鹿児島のように台風や火山灰、湿気など地域特有の環境がある地域では、耐震性や耐久性、断熱性能だけでなく、日々のメンテナンスのしやすさも大切です。新築時から長期優良住宅として計画しておくことで、暮らしの安心と将来の資産価値の両方を守ることにつながります。

ベルハウジングでは、長期優良住宅・耐震等級3・高断熱仕様を基本に、鹿児島の気候に合った家づくりを行っています。詳しくは「家の性能」「住まいの実例」もご覧ください。

長期優良住宅制度の詳細については、国土交通省の長期優良住宅制度に関する情報も参考になります。

一級建築士、一級建築施工管理技士 松田英之

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